「夜明けのスキャット/由紀さおり」
「夜明けのスキャット/由紀さおり」
(作詞・山上路夫/作曲・いずみたく/編曲・渋谷毅)
・B面「 バラのためいき」
・1969年(昭和44年3月10日)発売
・エキスプレス/東芝音楽工業
・第11回日本レコード大賞作詩賞
・週間1位(オリコン)
・1969年度年間1位(オリコン)
朝、昼、夜と分けたとき、やっぱりドラマは夜だろう。“歌になりやすい”と付け加えれば尚更だ。
その夜と朝の間に(という歌もあったが)はっきりしない明るさと時間帯で存在する夜明け。
タイトルに「夜明け」が付くのは意外と多い。『夜明けのタンゴ/松坂慶子』『夜明けの街/石原裕次郎』…そうそう『夜明けの停車場/石橋正次』なんかは結構ヒットした。
でも一番有名であろう、この「夜明けのスキャット」。
漫才なら「きみ、いつ歌いはじめんねん!」ってツッコミが入ること間違い無し。
とにかくいつまでも「ルールールルルー」や「ラーラーラララー」ばかり。
7thコードが鳴り雰囲気も盛り上がっていよいよか?と思いきや今度は「パーパーパーパーパパーパー」と来たもんだ。
結局、1コーラス全部そんなこんなで終わってしまうのだが、実は聴き入ってたことにも気付かされないまま歌詞付きの2コーラスを迎える。
何に付けインパクトというのは大切である。如何に「なんじゃこらッ」と思わせるかだ。
そういう意味ではインパクト特大級の歌詞だ。しかもレコード大賞作詞賞受賞。どうだ参ったかである。
リバイバルヒットの記憶も新しいが、そのきっかけは外国で火が付いたこと。
音楽に国境はないのは本当のようで、特に人の心に響くメロディに理屈は無用。
作曲のいずみたくは、大ヒットのやっかみか盗作だ何だと騒がれ、遂には著名人から新聞を通じて「盗作と違うと言うのなら訴えてみたまえ」とまで挑発された。
しかし、反応しなかったいずみたくはさすがである。実に痛快だ。「これを盗作と言うのなら訴えてみたまえ、ふン!」と鼻で笑いながら、次々と来る依頼に没頭していたに違いない。
それはそうと、シングル・レコードのジャケットにはこう印刷されている。
「日本初のスキャット・ヒット!」
ほほう、端的且つ韻を踏んだ見事なコピーではないか。
が、しかし!服部良一大先生の『山寺の和尚さん』をお忘れでないかい?
ダガジクダガジクダガジクダガジク…。
2016-01-22 23:25
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